幼稚園へは集団登校で、いつも同じ道を歩いていた。
登園する私たちは全員公団の団地住まいだけど、
道中に大きなお屋敷が建っていて、
「ここ、大きいよねえ」と引率するママたちも話題にしていた。
私「大っきい家あるねん。」
と、母親に言ったことがあった。
すると母、わなわな震えだし。。
母「あそこのご主人たちはねえ!病気になって、ナントカデカントカデ使用人もいなくなって奥さんも入院して!! それで飼っていた犬がつながれたまま放っておかれたのよ!寒波っていう寒い年の2月のことよ。
犬はなくなったのよー!!」
と、怒りに震え、顔を真っ赤にし、涙を浮かべ。。
…わたくしナラコを睨みつけ続けた。
それを聞いた私。
どうして、私たちは誰も助けられなかったのだろう。
このお屋敷の塀を乗り越えて犬にご飯をあげられなかったのか。
いや、私は小さいから乗り越えるはむりか。
どこか忍び込めなかったのか。
ってか、
犬がいるのわかっててなぜ誰も助けなかったのか。。。
と、どーすればよかったのかを真剣に悩んだ。
そして、
毎日登園の際にお屋敷の家を通るたびに、
私は怖くて震えた。
母親によると、ご主人たちもなくなり犬もなくなり…なんだか怪奇なお屋敷だし、
なにより助けられたはずの命が助けられなかったことで、
自分が責められているきがしたから。
母親が登園の引率当番をすることもあった。
その時私が、お屋敷をちらちら見ながら足が震えているのをみて、
母親「はあもう!?なにしてんの!アタシが亡くなって言ったから!?だからってなによもう!腹立つ」
だそうでした。
…なんだか奇怪な事件があったような割には、そのお屋敷は荒れることもなくお庭もきれいに維持されつづけていました。。